社会実験は、地方の2車線区間を中心に37路線50区間、合計距離1626キロが対象。首都高速と阪神高速を除く全路線の約18%で、来年3月まで通行料を無料にする。試算は、無料化によるCO2排出量が、「休日上限1000円」導入前の05年度と比べてどう変化するかを推計した。
国交省は「自動車の総交通量は変わらないが、高速道路の総走行距離が3%増える」と推測。高速道路の方が一般道より燃費が良いことから、排出量は0.1%(25万トン)減ると試算した。
一方環境省は、無料化によって鉄道からマイカー利用に移行する人が増え「乗用車の総走行距離は約0.3%増える」と推測。この影響で排出量が0.1%(約33万トン)増えると結論付けた。
国交省の試算は鉄道から自動車への利用転換を考慮せず、環境省は一般道から高速道への利用転換を考慮していない。小沢鋭仁環境相は同日の会見で「(両省の)意見が違い、一つのモデルでのシミュレーションにならなかった。社会実験でデータを集めたい」と述べた。
◇1000円高速は「増」
環境省は同日、全国の高速道路で実施中の「休日上限1000円」の影響に関する試算結果も初めて公表した。これによる昨年度のCO2排出量は導入前より推定約1.1%(287万トン)増加したという。主な原因として、鉄道から自動車利用に切り替えた人が年間延べ4000万人おり、自動車の総走行距離が休日だけで約0.3%増えたと指摘している。【江口一】
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