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仲井真氏は県外移設を「ベスト」とした上で「県外移設を求める声はますます高まっている。政府には伝わっていないのではないか」と不快感を表明。平野氏の話をさえぎりながら「陸上案が決まりかけていて、米国とすり合わせ中との話が流れている。どういう状況なのか」と問いただす一幕もあった。
政府は現行計画の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に代え、基地の陸上部に滑走路を作る案を検討している。沖合移設を条件に沿岸案を容認してきた仲井真氏は、住民への騒音被害や事故への懸念から陸上案に否定的だが、平野氏は「政府として米国と交渉していることは全くない。あくまでもゼロベース」とだけ答えた。
官房長官として2度目となる平野氏の沖縄訪問は、移設先の決定期限の5月に向け、県との信頼関係を構築することが狙いだった。
移設先選定に当たっては仲井真氏の理解を得る必要があるため、政府は1月、知事からの要望を受け、首相官邸と県の意思疎通強化のため内閣官房に沖縄連絡室を設けた。平野氏は19日に那覇市内の連絡室分室を訪れ、職員を激励した。
仲井真氏は会談で、県外移設をベストとする一方、移設問題での政府との緊密な協議を求めた。対話の窓口を開き、県内移設を完全に否定していないのは「それを言ってしまうと、移設先が県内になった場合に受け入れができず、普天間飛行場の現状固定につながる」(知事に近い県議)との懸念からだ。
平野氏は「ベター」との表現でシュワブ陸上部への代替施設建設や訓練の分散などによる県内移設で押し切るための布石を打ったといえる。だが、鳩山由紀夫首相が20日、都内で記者団に対し「沖縄や米国に分かってもらえ、与党3党が協力できる案を作ることがベストだ。ベターではなく、ベストを探すんです」と平野発言を否定してみせるなど、先行きは不透明だ。
県外移設を求める県内世論に配慮せざるを得ない仲井真氏の顔を立て、陸上案に反対する稲嶺進名護市長や社民党を説得して県内移設を実現するためには、相当の力量が必要。平野氏の調整手腕が試されている。
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